ジャン=ピエール・マリエル，ジェラール・ドパルデュー，アンヌ・ブロシェ，アラン・コルノー(監督、脚色)，パスカル・キニャール(原作、脚色、台詞)，ジョルディ・サヴァール(音楽指揮、演奏)
販売会社/発売会社：(株)紀伊國屋書店((株)紀伊國屋書店)
発売年月日：2011/01/29
JAN：4523215054812
メディア形式：DVD
規格品番：KKDS603
2010年6月に急死したアラン・コルノー監督の渾身の一作にして正しく最高傑作と呼べる、90年代フランス映画を代表する芸術作品。/宮廷作曲家マラン・マレの知られざる師であったヴィオラ・ダ・ガンバ奏者サント=コロンブとの確執と芸術家としてのあり方の違いを描く。アントニオ・タブッキ原作『インド夜想曲』(89)の映画化で精神的な世界を描いてこれまでの作風を一転させたアラン・コルノー。彼はその映画以前に読んでいたパスカル・キニャール著「音楽のレッスン」(87)で描かれたマラン・マレをめぐる宮廷作曲音楽家にまつわるシナリオをキニャールに依頼したことから本作が生まれた。脚本家ではないキニャールは監督の要望とは別にマレと彼の師であった知られざるヴィオール(ヴィオラ・ダ・ガンバ)奏者サント=コロンブについての物語『めぐり逢う朝』を書き上げ、それを元にこの映画のシナリオを二人で作り上げた。演奏のため家を離れていた時に妻が他界したサント=コロンブは、二人の娘を世俗から隔離し、ジャンセニストとして妻に捧げる音楽の演奏に没頭する。彼の心打つ演奏はルイ14世の元にも伝わり宮廷音楽家として招かれるも、頑に拒否をする。その噂を聞きつけた若き音楽家マラン・マレは、彼に演奏を学びながら彼の娘マドレーヌとも結ばれ、宮廷での仕事も得て出世を計るのだが...。「世界すべての朝(は二度と戻ってこない)」という深い意味を込めたこのキニャールの原作は、公開のひと月前に発売され絶賛され、映画は91年年末に公開されるや絶賛され、210万人を動員。ルイ・デリュック賞に続いてセザール賞も6部門独占受賞した。またマレ、サント=コロンブ、リュリ、クープランらの楽曲に交えて自作も披露したスペインのガンバ奏者ジョルディ・サヴァールは自身の楽団ル・コンセール・デ・ナシオンを率いて劇中の音楽を演奏して音楽界の注目を集め、サントラ盤も大ヒットを記録。当時は殆ど録音もなく未知の存在だったマレとサント=コロンブだが、この映画の成功以後、バロック音楽界が活性化し、映画界にも新たな道を造ることなった重要作である。