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本作に興味を持っていただきありがとうございます。
慶派、またはその周辺の仏師の作になる中世の阿弥陀如来像です。
像高一尺の小像ながら、端正な面相や流麗にして変化に富み、エッジの利いた美しい衣文は見飽きることがありません。
後世のものとは異なる破綻のない体躯表現や、いわゆる「安阿弥様」の阿弥陀如来像が盛んに造立された時期を鑑みると本作は鎌倉後期頃のものと当方では考えておりますが、幅を持たせて室町の早い頃までの作とさせていただきました。いずれにしても中世を下るものではないものと考えます。
浅学のため材の特定まではできませんが、檜のような針葉樹系のものが使われており、永い年月を経て手取りは驚くほど軽くなっております。
燈明の油煙を纏って全体が黒く煤けておりますが、その下には金箔が押されていることが見て取れます。
左手先の欠損や右肩部等の後世の補修痕が惜しまれますが、作行が優れ、サイズも程よいことから現代の住宅環境で仏像を安置するならば最適なものの一つではないかと考えます。
この機会に、どうぞよろしくお願いいたします。
サイズ : 高さ約30.3cm、幅約10.0cm、奥行約7.5cm
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