越後高田や津軽の瞽女をテーマにした作品で高い人気を誇る斉藤真一。1922年(大正11年)岡山県出身の画伯は、'48年に東京美術学校(現・東京藝術大学)を卒業、在学中の'46年に日展で初入選しました。その後は教員として勤務しながら制作を続け、'57年光風会展でプールブー賞を受賞、'59年に渡仏を果たした翌年に初個展を開催しました。そして、'61年に津軽を旅した際に瞽女の存在を知り、それを題材に作品を描き始め、'65年からは約10年間に渡り越後で取材をしました。その制作によって、'71年安井賞展佳作賞を受賞、'75年フランス賞展で2席入賞を果たし、'81年モントリオールのヴィクトリア美術館に作品が収蔵、斉藤真一記念室が開設されるなど国内外で活躍し、'82年に紺綬褒章を受賞しました。また、'89年に毎日新聞社主催の「大正ロマンと昭和ロマンー竹久夢二と斉藤真一」展、'91年倉敷市美術館にて「郷土作家展ー斉藤真一」展、'93年には天童市美術館や出羽桜美術館などで「斉藤真一展」が開催されるなど、後年は多くの企画展が開催されました。その他では、「越後瞽女日記」(河合書房新社)、「瞽女=盲目の旅芸人」(日本放送出版協会)など多数の著作が刊行され、'73年に日本エッセイストクラブ賞を受賞、'87年には画文集「吉原炎上」と「明治吉原細見記」が『吉原炎上』として映画化され話題を集めました。作品は、東京国立近代美術館、富山県立近代美術館、兵庫県立近代美術館などに所蔵されています。
【略 歴】
1922年 岡山県鹿児島郡出身
1942年 東京美術学校師範科入学
1943年 学徒出陣
1946年 復学
日展初入選
1948年 東京美術学校師範科卒業
静岡県市立第一中学校に赴任
1949年 岡山県に転任
1953年 静岡の伊東高校教師に赴任
1957年 光風会展プールブー賞受賞
1959年 渡仏
1960年 初個展開催
1971年 教員を退職
安井賞展佳作賞受賞
1972年 「越後瞽女日記」(河出書房新社・73年ADC賞受賞)
「瞽女=盲目の旅芸人」(日本放送出版協会)
1973年 「瞽女」で日本エッセイストクラブ賞受賞
1974年 個展開催(上野松坂屋、同75年)
1975年 フランス賞展2席入賞
1977年 「瞽女-斉藤真一画集」(毎日新聞社)
1979年 個展開催(池袋西武)
1981年 岡山県総合文化センターに油彩14点寄贈
斉藤真一記念室開設
モントリオールのヴィクトリア美術館に作品収蔵
1982年 紺綬褒章受賞
1985年 「絵草子・吉原炎上」(文芸春秋)
「明治吉原細見記」(河合書房新社)
1987年 画文集「吉原炎上」「明治吉原細見記」が「吉原炎上」として映画化(東映)
1989年 「大正ロマンと昭和ロマンー竹久夢二と斉藤真一」開催(阪急ナビオ美術館)
「哀歌ー斉藤真一淡彩画集」
1991年 「郷土作家展ー斉藤真一」開催(倉敷市美術館)
1993年 「斉藤真一展」開催(出羽桜美術館・斎藤真一心の美術館、ほか同時開催)
1994年 没(享年72歳)
2003年 「越後の瞽女を描く 斉藤真一・木下晋」展開催(新津市美術館)
2005年 「斉藤真一 越後瞽女日記」展開催(出羽桜美術館)
2006年 「斉藤真一 明治吉原細見記」展開催(斎藤真一心の美術館)
★主な所蔵美術館/東京国立近代美術館、富山県立近代美術館、兵庫県立近代美術館、世田谷美術館、
伊勢現代美術館、鹿乃屋美術館、出羽桜美術館(斎藤真一心の美術館)、
ヴィクトリア美術館、他
★画 家:斎藤真一
★タイトル:「備中楼:「明治吉原細見記」より」
★技 法:板に油彩
★作品サイズ:4号、画寸 34.2×25cm
★額装サイズ:47.5×38.5cm
★作品状態:良好です
★サイン:サイン有、板裏にもサイン・印・タイトル・年記、共シール
★制作年:1980年
★付帯品:タトウ箱、黄袋、斎藤真一鑑定委員会鑑定証書
★真作保証します