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黄金の腕フランク・シナトラは「地上より永遠に」でアカデミー賞をとり、落ちかけていた人気を一気に取り戻し演技者として復活した。そして更に挑戦したのが、この「黄金の腕」における麻薬中毒の役である。彼に心を寄せるのが当時、コロムビア映画のスターとして人気が出始めたキム・ノヴァク。理解のない心理不安定な奥さん役をエリノア・パーカーが捨身の演技で見せてくれる。特に凄いのはシナトラが何とか麻薬中毒から脱しようと閉ざされた部屋で苦しみ、のたうち回る場面。まさしくシナトラ変身である。監督は黒人ミュージカル「カルメン」を作ったり、映画ではじめて「精液」というセリフを裁判ドラマの中で登場させたり、横紙破りの監替と云われて来たオットー・プレミンジャーである。凄まじい映画と云わざるをえない。(1955年/アメリカ)目立った傷や汚れなし